地面師って知ってますか?
2020年11月22日
他人の不動産を所有者になりすまして不動産を買わせる詐欺師
地面師の手口は?
地面師とは、他人になりすまして不動産を買わせて売買代金をだまし取る詐欺師です。もちろん、騙された買主は不動産の所有者にはなれませんし、支払った代金が手元に帰って来ることも難しいでしょう。では、どういう手口で不動産所有者になりすまし、買主から売却代金を騙し取るのか?
まずは、所有者の住んでいない不動産を探す。空き家や駐車場、ビルやアパートなど・・・これらの不動産の多くは所有者が判別しにくく、法務局の登記簿謄本に書かれている所有者になりすましやすい不動産となります。これらのターゲットとなる不動産に目星を付けたら犯行準備にとりかかります。地面師は単独で行われる事はなく、複数のグループで行われそれぞれに役割分担があるのです。例えば、
●詐欺グループのまとめ役、主犯。
●ターゲットとなる不動産を探してくる調査役。(空き家や抵当権のついていないもの)
●本人確認の為の免許証や保険証、パスポートの偽造をする人(これも別の犯罪グループなのかな?)
●実際の所有者になりすます役。イメージとしてはおじいちゃんやおばあちゃんかな?
●買主との交渉役。(これがよく言われる地面師のイメージですね)
多分こんな感じのグループだと思います。
こんなグループになって買主を騙しにくるとなかなか見抜く事が難しくなってくると思います。たしか、某事件の時は、不動産所有者のなりすまし役の他にご丁寧に近隣住人役までいた様な気がします。
なりすましを見抜くには!
では、不動産所有者のなりすましを見抜くにはどうすれば良いのでしょうか。買主や司法書士は所有者が本人なのかどうか確認する為に必ず「本人確認を行います」この本人確認の方法が本人面談と身分証明書の確認です。しかし、身分証明書が偽造されていて、不動産所有者になりすまされていたら見抜く事は難しいと思います。そうなったら、地面師の詐欺成功です。
結論からいうと・・・詐欺を見抜くことは、かなり難しいと思います。(´・ω・`)
不動産の取引では、代金を支払った後に法務局に登記申請を行う訳ですが、法務局で書類偽造が発覚して登記申請が却下された時には地面師グループは逃げてしまった後という事になります。普通の生活をしている人が免許書や身分証明書を見せられて「偽造だっ!!」って判りませんよね。
その免許書ホンモノですか!?

地面師に騙せれない為には!
これまでのお話から、地面師が不動産所有者になりすまし、買主や司法書士を信じさせるこによって詐欺が成立する事がわかりました。唯一の防衛手段としては、信頼できる司法書士や不動産業者の選別、本人確認に複数人で立ち会う、近隣調査を入念に行うなど、基本的な事が大事になります。決済までの時間をせかされたり、少しでも怪しい行動があった場合にはより注意して不動産取引に挑むようにしましょう。
ちなみに、業界大手の「積水ハウスの地面師事件」での詐欺行為発覚は、法務局で登記申請を拒否された後に、報道関係者が本人確認書類を近隣住民に見せた時に「顔が違う」ってことでなりすましが判明したらしいです。怖い話ですね!